長い夜と小さな死
秋です。待ちに待った秋です。今年の夏はうんざりするほど暑かったから。
体温に近い気温が何か月もの続いたような記憶。
太陽の光は残酷で、不快指数をみるのも不快だった。
でもどんなことにも終わりはやってくる。
朝と夜が少し涼しくなったなと思ったら、夕方はあっという間に終わり
沈んだ太陽とともに早めの夜がやってくる。
これがいい。久しぶりの解放感。テラスで過ごすのがいい。
冷房も暖房もいらない季節。汗もかかないし、上着もいらない時間。
そして夜のスタート時間が早い。長い夜が始まる。
この時間に何をするのか、何を想うのか、
そんなことはお好きにどうぞ。嬉しきことがあった日は
嬉しさを思い出しながら、何事もなかった日は何事もなかったことに
感謝しながら、特別なことがあった日は特別なことを思い出しながら。
何を食べようか?何を飲もうか?誰と会おうか?
それもあなたがお好きなものをお好きなだけ、お好きな人と。
何しろ夜は長いのですから。
たとえばBean to Bar。
カカオ多めのショコラをなめるように味わいながら
秋の夜長のお供にどうでしょうか?
嬉しい日でも楽しい日でも何もない一日もいい。
でも時には受け入れがたいことが起こる日があるかもしれない。
受け入れがたいけど受け入れるしかない。そんな日もショコラは
よき友になれるかもしれない。夜は長いけど、いつまでも続くわけではない。
必ず眠りの時が訪れる。la petite mort (ラ プティットゥ モール)
フランス人は、眠りを小さな死、という。毎日訪れる小さな死。
大丈夫。数時間後には小さな生が始まるから。